当サイトはKRAS阻害剤ルマケラスを適正にご使用いただくための情報を提供しております。

ルマケラスによる治療中は、以下のような副作用があらわれることがあります。症状がみられたら、治療日誌に記録しておきましょう。症状の程度によって、ルマケラスの服用量を調整する場合や、休薬、中止する場合がありますので、担当医の指示にしたがってください。

肝機能障害

発現頻度1):ALT増加 13.6%、AST増加 13.6%

肝機能の状態をあらわすALT、AST などの検査値に異常がないか、定期的に血液検査を行い確認します。

初期には無症状の場合もありますが、以下のような症状がみられるときは、担当医、薬剤師または看護師に知らせてください。

注意すべき症状

  • いつもより疲れやすい
  • 吐き気や嘔吐(おうと)
  • 意識の低下
  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸(おうだん)) など
肝機能障害イメージ

間質性肺疾患(かんしつせいはいしっかん)

発現頻度1):肺臓炎(はいぞうえん)0.8%

肺の酸素を取り込む場所(間質)に炎症が起こる病気の総称で、間質性肺疾患や肺臓炎などがあります。炎症が広がると、呼吸がしにくくなり、命にかかわることがあるため注意が必要です。間質性肺疾患の初期症状は、風邪(かぜ)によく似た症状です。次のような症状があるときは、自分で風邪と判断せず、速やかに担当医、薬剤師または看護師に知らせましょう。

注意すべき症状

  • 痰(たん)のないかわいた咳(空咳(からぜき))
  • 息切れ
  • 息苦しさ
  • 発熱
  • 疲労 など
間質性肺疾患 イメージ

下痢

発現頻度2):20.8%

下痢が起こった場合、担当医より下痢を抑えるお薬が処方されることがあります。

特に次のような症状があるときは、担当医、薬剤師または看護師に知らせましょう。

注意すべき症状

  • 1日4~6回以上の排便
  • 水のような便が続く
  • 脱水症状(めまい、ふらつき、尿の量が少ない) など
下痢(注意すべき症状)イメージ

予防と対策

  • 下痢が続くときは脱水症状を起こさないよう、こまめに水分をとりましょう。
  • 刺激物を避け、消化の良いものを食べるようにしましょう。
下痢(予防と対策)イメージ

悪心(おしん)、嘔吐

発現頻度2):悪心 11.3%、嘔吐 5.7% 

吐き気、嘔吐などの症状があらわれることがあります。

予防と対策

  • 吐き気を抑えるお薬を服用することで症状を改善させることができます。つらいときは我慢せずに担当医、薬剤師または看護師に知らせてください。
  • 食欲がないときは無理をせず、食べられるものを少しずつ食べるようにしましょう。
  • 栄養士に相談の上、少量で高カロリーをとれる補助食品なども取り入れてみましょう。
悪心、嘔吐 イメージ

疲労

発現頻度2):7.5% 

疲れやすい、だるいなどの症状があらわれることがあります。

予防と対策

  • 疲れやだるさを感じたら横になるなど、無理をしないで休みましょう。
疲労 イメージ

皮膚障害

発現頻度2): 発疹 28.3%、ざ瘡様皮膚炎 22.6%、皮膚乾燥 18.9%、そう痒症 15.1%、爪囲炎 5.7%

発疹、かゆみ、皮膚の乾燥、爪のまわりの炎症などがあらわれることがあります。

注意すべき症状

  • にきびのような発疹や吹き出もの
  • ひどいかゆみ
  • 皮膚の乾燥やひび割れ
  • 爪のまわりの炎症 など

予防と対策

日頃から皮膚に対するケア(スキンケア)が欠かせません。皮膚を清潔に保ち、保湿を心がけましょう。

入浴時

  • 洗浄剤およびシャンプーは、刺激の少ないものを使いましょう。
  • 皮膚を刺激しないように、やさしく洗いましょう。
  • ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。

入浴後

  • 入浴/洗顔後は保湿剤をたっぷり塗り、保湿しましょう。
  • 塗る際はこすらず、やさしく押さえるように塗りましょう。

その他

  • 肌の乾燥をさけましょう。
  • 直射日光をさけ、日焼け止めを使用し、紫外線から皮膚を守りましょう。
皮膚障害 イメージ

低マグネシウム血症

発現頻度2):28.3%

血液中のマグネシウム濃度が低くなることで次のような症状があらわれることがあります。

注意すべき症状

  • 吐き気、嘔吐
  • 食欲不振
  • しびれ
  • めまい
  • 筋肉のひきつり など
低マグネシウム血症 イメージ

貧血

発現頻度2):1.9%

貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が少なくなった状態です。ヘモグロビンは、酸素を全身に運ぶ働きがあるタンパク質です。ヘモグロビンの量が減少して貧血になると、体に酸素が足りない状態となり、次のような症状があらわれることが あります。

注意すべき症状

  • 動いたときの動悸(どうき)や息切れ
  • めまい
  • ふらつき
  • 倦怠感(疲れやすい、だるい)
  • 頭が重い など
貧血 イメージ
  1. ルマケラス電子化された添付文書第6版(2025年9月改訂)
  2. Fakih MG, et al. N Engl J Med. 2023; 389(23): 2125-2139.
    [利益相反:本試験はアムジェン社の支援により行われた。]
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